日本基督改革派教会中部中会設立25周年記念宣言

(宣言)

 人知を超えて働く神の恵みにより、中部中会はここに設立25周年を迎えました。わたしたちはここに、「創立宣言」に明らかに示された改革派教会の主張と進路を確認し、これを継承し、その目的達成に献身することを宣言します。


(回顧)

 思えば、戦禍なお生々しい1946年4月28日、神は東京麻布に8教会の代表者たちを東西から召し集めて日本基督改革派教会を創立させて下さいました。彼らはすべて、「食うにも飲むにも、何事をなすにも凡て神の栄光を顕す事」を至高の目的とする有神論的人生観・世界観こそ新日本建設の唯一の基礎であると確信し、「一つ信仰告白と一つ教会政治と一つ善き生活」によって具現する宗教改革の正統を継ぐ教会の樹立のために一切を神に献げました。その中に、中部圏に属する四日市、福井両教会の代表者が加えられていたことを神に感謝します。その後、同じ使命に召し出された兄弟たちの信仰の良き戦いと合衆国長老教会宣教師たちの協力によって教勢は著しい発展を見るに至りました。
 教会の成長に伴い、日本基督改革派西部中会は、1959年4月に開催された第15回定期会において「中部中会」の設立を感謝のうちに承認しました。ここに至る十有余年の間、神が西部中会の兄弟姉妹を初め、四国・東部の各中会、ならびに関係ミッション宣教師をとおして与えて下さった豊かな励ましと交わりを感謝します。
 過去を振り返れば歴史を支配される全能の神は、19世紀後半に米国ダッチリフォームド教会、合衆国長老教会、カンバーランド長老教会などの手によって中部圏に福音の種をまき、これを旧・日本基督教会浪速中会によって育てて、後の日本基督改革派教会の礎を築いて下さいました。第二次世界大戦によって教会は厳しい試練と深刻な打撃を受けましたが、憐み深い神の摂理によって、敗戦をとおして宗教の自由が与えられ、教会は速やかな再建を見ることができました。この間、合衆国長老教会、北米キリスト改革派日本ミッションから受けた協力を忘れることはできません。
 25年前、8教会、8伝道所、978人の会員をもって設立した中部中会が、今日、14教会、8伝道所、1教会所属伝道所、1CRC所属伝道所、1,838人の会員をもつまでに成長したことは、ひとえに主の恵みによるものと深く感謝します。


(反省)

 顧みて、教会成長のために信仰の良き戦いを戦った先輩たちの労苦をしのび、彼らを支えて下さった神の恩ちょうを感謝します。しかし、古くから培われたこの地方の異教的精神風土と人心の保守性に加えて、最近著しい世俗主義の波が、先輩たちの労苦にもかかわらず中部圏における有神論的人生観・世界観の確立を困難にして来ました。わたしたちは今、「思想と生活に於ける凡ゆる迷信と無神論を打破して真理の柱なる教会を樹立せん」とした創立者たちの信仰と志を想起し、神に信頼してこの使命を果たすことを決意し、献身を新たにします。


(決意)

1.改革派正統神学の継承と発展に努力します。
 真に聖書的な教会形成は健全な神学の上にのみ期待できます。
 各個教会は信徒と契約の子たちの教理教育の重要性を再確認し、教師は神学研究の努力と向上への決意を新たにします。
 わたしたちは今後、教師の生涯的神学研究と信徒の積極的な教理学習によって中会全体の神学的水準の向上に努めます。

2.信徒の霊的成長と信仰の継承に努力します。
 教会形成と信徒の信仰生活の確立には、信徒の霊的向上と信仰の継承が必須です。このため、教理の学習と共に、祈祷、家庭礼拝、善き業の実践を中心とした日常生活の訓練によって、従順にも逆境にも良く処する信仰の育成に努め、この信仰を次の世代に伝えます。
 更に、聖なる安息日と六日の労働とを主に献げることによって休息と労働の調和の中に信仰生活を確立することに励みます。

3.北陸三県の伝道を推進します。
 わたしたちの中会は従来、愛知、岐阜、三重、静岡の東海四県に集中して来ました。神はその伝道を祝福されました。しかし、今なお、弱い教会・伝道所があることを覚えて、その援助と強化に配慮します。又、主はわたしたちを北陸三県の伝道にも召しておられると確信し、中会設立25周年を機に、既に開設させて下さった豊明伝道所に加えて富山、石川、福井三県への伝道の志を新たにし、可及的速やかに着手します。

4.中部圏における有神論的人生観・世界観の確立と有神的文化建設に努力します。
 この高遠な目標を目指す第一歩として、思想と生活に見られる無神論・異教・異端などのあらゆる誤りを打破し、社会の全領域に神の主権を確立するために必要な学習と訓練が、各個教会においても継続して積極的に行われることを期待します。
 敗戦から40年、時代は再び大きく変わりつつあります。70年代に始まった旧日本への回帰傾向はますます加速の度を加えています。一方、世俗主義の風潮は、あらゆる年代、あらゆる階層に及び、国民の道徳的低下と社会的なゆがみを生じています。
 わたしたちは、改革派教会創立30周年記念宣言をふまえて、祖国日本が再び過ちを犯すことがないように見張りの努めを果たすと共に、「正義は国を高くし、罪は民をはずかしめる」ことを訴えて行きます。

5.神学校及び国内・国外伝道への責任を果たします。
 中部中会が今日あるは、ひとえに神の憐みによることは言うまでもありませんが、他中会と友好外国ミッションの祈りと協力、並びに神戸改革派神学校の働きに負うところ大であります。わたしたちの中会は、他中会との連携・協力はもとより、友好外国ミッションとの協力を一層緊密にすると共に、「受けるよりは与える方が幸いである」との主のみ言葉に従って、国内・国外伝道の責任を積極的に果たします。また、神学校がわたしたちの教会の神学的戦いと教師養成に果たす役割の重要性を覚えて、多くの献身者を送り出すことに努め、祈りと献げものによる支援を協力に進めます。


(結語)

 これらの実践は各個教会・伝道所の成長によるところ大であるとは言え、それだけで達成できるものではありません。中会全体がみ霊の生命に満ち溢れ、愛の絆で固く結び合うことによって初めて可能となります。わたしたちは今後、全教会・伝道所の主にある交わりを祈り求めつつ、この宣言の実現を期さなければなりません。
 「どうか、わたしたちのうちに働く力によって、わたしたちが求めまた思うところのいっさいを、はるかに超えてかなえて下さることができるかたに、教会により、またキリスト・イエスによって、栄光が世々限りなくあるように、アーメン。」

                         主の1984年9月23日

                                    日本基督改革派中部中会



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