ウエストミンスタ―小教理問答書
Westminster Shorter Catechism

 

 

Q1

人のおもな目的は、何ですか。

人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことです。

 

 

Q2

神は、私たちに神の栄光をあらわし神を喜ぶ道を教えるため、どんな基準を授けていてくださいますか。

旧新約聖書にある神の御言葉だけが、私たちに神の栄光をあらわし神を喜ぶ道を教える、ただ一つの基準です。

 

 

Q3

聖書は、おもに何を教えていますか。

聖書がおもに教えている事は、人が神について何を信じなければならないか、また神は人にどんな義務を求めておられるか、ということです。

 

 

Q4

神とは、どんなかたですか。

神は霊であられ、その存在、知恵、力、聖、義、善、真実において、無限、永遠、不変のかたです。

 

 

Q5

ひとりより多くの神々がいますか。

ただひとりしかおられません。生きた、まことの神です。

 

 

Q6

その神には、いくつの位格がありますか。

神には、三つの位格があります。御父と、御子と、聖霊です。この三位は、実体が同じで力と栄光において等しい、ひとりの神です。

 

 

Q7

神の聖定とは、何ですか。

神の聖定とは、神の御意志の熟慮による永遠の決意です。
これによって神は、御自身の栄光のために、すべての出来事をあらかじめ定めておられるのです。

 

 

Q8

神はその聖定を、どのように実行されますか。

神が聖定を実行されるのは、創造と摂理の御業においてです。

 

 

Q9

創造の御業とは、何ですか。

創造の御業とは、神が、すべてのものを無から、力ある御言葉により、六つの日にわたって、万事はなはだよく造られたことです。

 

 

Q10

神は人を、どのように創造されましたか。

神は人を、男性と女性とに、知識と義と聖において御自身のかたちにしたがって創造し、被造物の支配を託されました。

 

 

Q11

神の摂理の御業とは、何ですか。

神の摂理の御業とは、神が、最もきよく、賢く、力強く、すべての被造物とそのあらゆる動きを保ち、治めておられることです。

 

 

Q12

神は、創造された状態の人に、どのような特別の摂理の行為をとられましたか。

人を創造された時、神は人に、完全な服従を条件として命を契約されました。しかし、善悪を知る木の実を食べることは、死を制裁として禁じられました。

 

 

Q13

私たちの最初の先祖たちは、創造された状態で続きましたか。

自分の意志の自由に任されていた私たちの最初の先祖たちは、神に罪を犯すことによって、創造された状態から堕落しました。

 

 

Q14

罪とは、何ですか。

罪とは、神の律法への一致に少しでも欠けること、あるいは神の律法にそむくことです。

 

 

Q15

私たちの最初の先祖たちを、創造された状態から堕落させた罪とは、何でしたか。

私たちの最初の先祖たちを、創造された状態から堕落させた罪とは、彼らが禁断の木の実を食べたことでした。

 

 

Q16

アダムの最初の違反、で全人類が堕落したのですか。

あの契約がアダムと結ばれたのは、彼自身のためだけでなく、子孫のためでもありました。それで、普通の生れかたでアダムから出る全人類は、彼の最初の違反において、彼にあって罪を犯し、彼と共に堕落したのです。

 

 

Q17

堕落は、人類をどんな状態に落としましたか。

堕落は人類を、罪と悲惨の状態に落としました。

 

 

Q18

人が堕落した状態の罪性は、どの点にありますか。

人が堕落した状態の罪性は、次の点にあります。すなわち、アダムの最初の罪の罪責を負うていること、原義を失っていること、人の性質全体の腐敗つまりいわゆる原罪があること、そこからあらゆる現行罪が生じていることです。

 

 

Q19

人が堕落した状態の悲惨とは、何ですか。

全人類は、堕落によって神との交わりを失いました。今は神の怒りとのろいの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰との責めを負わされています。

 

 

Q20

神は全人類を、罪と悲惨の状態のうちに滅びるままにされましたか。

神は、全くの御好意によって、永遠の昔から、ある人々を永遠の命に選んでおられたので、彼らと恵みの契約を結ばれました。それは、ひとりのあがない主によって、彼らを罪と悲惨の状態から救助して、救いの状態に入れるためです。

 

 

Q21

神の選民のあがない主とは、どなたですか。

神の選民の唯一のあがない主は、主イエス・キリストです。このかたは、神の永遠の御子でありつつ人となられました。それで、当時も今もいつまでも、二つの区別された性質、一つの人格をもつ、神また人であり続けられます。

 

 

Q22

キリストは、神の御子でありつつ、どのようにして人になられたのですか。

神の御子キリストが人になられたのは、聖霊の御力によって処女マリヤの胎に宿り・彼女から生まれながらも・罪はないという仕方で、真実の体と理性的霊魂をおとりになることによってでした。

 

 

Q23

キリストは、私たちのあがない主として、どういう職務を果たされますか。

キリストは、私たちのあがない主として、預言者、祭司、王の職務を、へり下りと高挙とのどちらの状態においても果たされます。

 

 

Q24

キリストは、どのようにして預言者職を果たされますか。

キリストが預言者職を果たされるのは、御自身の御言葉と御霊によって、私たちの救いのために神の御意志を私たちに啓示してくださることにおいてです。

 

 

Q25

キリストは、どのようにして祭司職を果たされますか。

キリストが祭司職を果たされるのは、神の正義を満足させて私たちを神に和解させるために、御自身をいけにえとしてただ一度ささげられたこと、また私たちのためにとりなし続けてくださることにおいてです。

 

 

Q26

キリストは、どのようにして王職を果たされますか。

キリストが王職を果たされるのは、私たちを御自身に従わせ、治め、守ってくださること、また御自身と私たちとのあらゆる敵を抑えて征服してくださることにおいてです。

 

 

Q27

キリストのへり下りは、どの点にありましたか。

キリストのへり下りは、次の点にありました。キリストが生まれられたこと、それも低い状態であられたこと、律法のもとに置かれたこと、この世の悲惨と神の怒りと十字架ののろいの死とを忍ばれたこと、葬られたこと、しばらく死の力のもとに留まられたことです。

 

 

Q28

キリストの高挙は、どの点にありますか。

キリストの高挙は、次の点にあります。キリストが三日目に死人の中からよみがえられたこと、天に昇られたこと、父なる神の右に座しておられること、終わりの日に世をさばくためにこられることです。

 

 

Q29

キリストが手に入れたあがないは、どのようにして私たちに分け与えられますか。

キリストの手に入れたあがないが、私たちに分け与えられるのは、キリストの聖霊がそれを私たちに有効に当はめてくださることによってです。

 

 

Q30

御霊は、キリストの手に入れたあがないを、どのようにして私たちに当はめてくださるのですか。

御霊が、キリストの手に入れたあがないを私たちに当はめてくださるのは、私たちの中に信仰を働かせ、それによって私たちを有効召命においてキリストに結び付けることによってです。

 

 

Q31

有効召命とは、何ですか。

有効召命とは、神の御霊の御業です。これによって御霊は、私たちに自分の罪と悲惨とを自覚させ・私たちの心をキリストを知る知識に明るくし・私たちの意志を新しくするという仕方で、福音において一方的に提供されるイエス・キリストを私たちが受けいれるように説得し、受けいれさせてくださるのです。

 

 

Q32

有効召命されている者は、この世で、どんな祝福を分け与えられますか。

有効召命されている者は、この世で、義認、子とされること、聖化、この世でそれらに伴い、あるいはそれらから流れ出るいくつもの祝福を分け与えられます。

 

 

Q33

義認とは、何ですか。

義認とは、神の一方的恵みによる決定です。それによって神は、私たちのすべての罪をゆるし、私たちを御前に正しいと受けいれてくださいます。それはただ、私たちに転嫁され信仰によってだけ受けとるキリストの義のゆえです。

 

 

Q34

子とされることとは、何ですか。

子とされることも、神の一方的恵みによる決定です。それによって私たちは、神の子らの数に入れられ、神の子らのあらゆる特権に権利を持つものになるのです。

 

 

Q35

聖化とは、何ですか。

聖化は、神の一方的恵みによる御業です。それによって私たちは、人間全体にわたり神のかたちにしたがって新しくされ、ますます罪に死に義に生きることができるものとされるのです。

 

 

Q36

この世で、義認、子とされること、聖化に伴い、あるいはそれらから流れ出る祝福とは、何ですか。

この世で、義認、子とされること、聖化に伴い、あるいはそれらから流れ出る祝福とは、神の愛の確信、良心の平和、聖霊における喜び、恵みの増加、終わりまで恵みのうちに堅忍することです。

 

 

Q37

信者は、死の時、キリストからどんな祝福を受けますか。

信者の霊魂は、死の時、全くきよくされ、直ちに栄光にはいります。信者の体は、依然としてキリストに結びつけられたまま、復活まで墓の中で休みます。

 

 

Q38

信者は、復活の時、キリストからどんな祝福を受けますか。

信者は、復活の時、栄光あるものによみがえらせられて、審判の日に、公に受けいれられ無罪と宣告され、永遠に、全く神を喜ぶことにおいて完全に祝福された状態にされます。

 

 

Q39

神が人に求めておられる義務は、何ですか。

神が人に求めておられる義務は、神の啓示された御意志に服従することです。

 

 

Q40

神は、人の服従の基準として、何を最初に啓示されましたか。

神が人の服従のために最初に啓示された基準は、道徳律法でした。

 

 

Q41

道徳律法は、どこに要約的に含まれていますか。

道徳律法は、十戒の中に要約的に含まれています。

 

 

Q42

十戒の要約は、何ですか。

十戒の要約は、心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なる私たちの神を愛すること、また自分を愛するように私たちの隣人を愛することです。

 

 

Q43

十戒の序言は、何ですか。

十戒の序言は、次の言葉にあります。「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である」。

 

 

Q44

十戒の序言は、私たちに何を教えていますか。

十戒の序言が私たちに教えている事は、神が主、また私たちの神でもあがない主でもあられるので、私たちはそのすべての戒めを守る義務がある、ということです。

 

 

Q45

第一戒は、どれですか。

第一戒はこれです。「あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない」。

 

 

Q46

第一戒では、何が求められていますか。

第一戒が私たちに求めている事は、神を唯一のまことの神また私たちの神として知り、認めること、またそれにふさわしく神を礼拝し、神の栄光をあらわすことです。

 

 

Q47

第一戒では、何が禁じられていますか。

第一戒が禁じている事は、まことの神を否定するか、神また私たちの神として礼拝せず栄光をあらわさないこと、神だけにふさわしい礼拝と栄光を他の何ものにでもささげることです。

 

 

Q48

第一戒の「わたしのほか(面前)に」という言葉で、私たちは特に何を教えられていますか。

第一戒の「わたしのほか(面前)に」という言葉が私たちに教える事は、万事を見ておられる神が、他のどんな神を持つ罪にも注目し、これを大いにきらわれる、ということです。

 

 

Q49

第二戒は、どれですか。

第二戒はこれです。「あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない。上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水のなかにあるものの、どんな形をも造ってはならない。それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものには、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼし、わたしを愛し、わたしの戒めを守るものには、恵みを施して、千代に至るであろう」。

 

 

Q50

第二戒では、何が求められていますか。

第二戒が求めている事は、神が御言葉のうちに指定されたとおりの宗教的礼拝と規定のすべてを、受けいれ、実行し、純正完全に保つことです。

 

 

Q51

第二戒では、何が禁じられていますか。

第二戒が禁じている事は、像による神礼拝、または神の御言葉に指定されていないあらゆる他の方法による神礼拝です。

 

 

Q52

第二戒に加えられている理由は、何ですか。

第二戒に加えられている理由は、神が私たちに君臨する主権者であられること、神が私たちの所有者であられること、神が御自身への礼拝に熱心をもっておられることです。

 

 

Q53

第三戒は、どれですか。

第三戒はこれです。「あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない。主は、み名をみだりに唱えるものを、罰しないでは置かないであろう」。

 

 

Q54

第三戒では、何が求められていますか。

第三戒が求めている事は、神の御名、称号、属性、規定、御言葉、御業を、きよく敬虔に用いることです。

 

 

Q55

第三戒では、何が禁じられていますか。

第三戒が禁じている事は、神が御自身を知らせるのに用いておられるどんなものをも、汚したり濫用するすべてのことです。

 

 

Q56

第三戒に加えられている理由は、何ですか。

第三戒に加えられている理由は、この戒めを破る者がどんなに人々からの罰を免れても、私たちの神、主は、御自身の正しい審判を免れさせはなさらない、ということです。

 

 

Q57

第四戒は、どれですか。

第四戒はこれです。「安息日を覚えて、これを聖とせよ。六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたもあなたのむすこ、娘、しもべ、はしため、家畜、またあなたの門のうちにいる他国の人もそうである。主は六日のうちに、天と地と海と、その中のすべてのものを造って、七日目に休まれたからである。それで主は安息日を祝福して聖とされた」。

 

 

Q58

第四戒では、何が求められていますか。

第四戒が求めている事は、神が御言葉において、はっきりと七日のうち丸一日を御自身のための安息日にすると指定されたとおりに、その定めの時を神に対してきよく守ることです。

 

 

Q59

七日のうちのどの日を、神は週ごとの安息日と指定されましたか。

神は、世の初めからキリストの復活までは、週の第七日を週ごとの安息日と指定されました。そして、キリストの復活からは、週の第一日を世の終わりまで続けるように指定されました。これがキリスト教安息日です。

 

 

Q60

安息日は、どのように聖別すべきですか。

安息日は、次のようにして聖別すべきです。その日は終日きよく休むこと。他の日なら正当な世俗の職や娯楽さえもやめること。すべての時間を公私の神礼拝を守るのに費やすこと。ただし、必要やむを得ない業とあわれみの業にとられる時間は別です。

 

 

Q61

第四戒では、何が禁じられていますか。

第四戒が禁じている事は、求められている義務を怠るか不注意に果たすこと、この日を、怠惰により・それ自体罪ある事を犯すことにより・または私たちの世俗の職や娯楽を必要もなく思い語り行うことによって、汚すことです。

 

 

Q62

第四戒に加えられている理由は、何ですか。

第四戒に加えられている理由は、神が週の六日を私たち自身の職のために使わせてくださること、神が第七日には特別の所有権を主張されること、神御自身が模範を示されたこと、神が安息日を祝福しておられることです。

 

 

Q63

第五戒は、どれですか。

第五戒はこれです。「あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜わる地で、あなたが長く生きるためである」。

 

 

Q64

第五戒では、何が求められていますか。

第五戒が求めている事は、あらゆる人が目上、目下、対等といういろいろの地位と関係において持つ名誉を守り、義務を果たすことです。

 

 

Q65

第五戒では、何が禁じられていますか。

第五戒が禁じている事は、あらゆる人がそのいろいろの地位と関係において持つ名誉と義務を、無視したり、それに反する何かを行うことです。

 

 

Q66

第五戒に加えられている理由は、何ですか。

第五戒に加えられている理由は、この戒めを守るすべての人に対する、(神の栄光とその人自身の益になるかぎり)長寿と繁栄との約束です。